私たちの暮らしの中には、結露という不快な現象があります。
この結露は、室内を水滴などで汚すだけでなく、様々なトラブルを引き起こす原因の一つです。
そこで、結露の原因を知り、これを少しでも抑えるための方法をまとめてみました。
快適で健康的な暮らしのためにお役立てください。
コップなどにつく水滴が、「結露」。
暖かい湿った空気が急に冷やされたり、冷たいものに触れたりしたときに、
空気中の水蒸気が水滴になる現象を「結露」といいます。
例えば、コップに冷たい水をそそぐとコップの外側に水滴がつきます。
これが、結露です。そのほかにも結露現象は日常生活でたくさん見ることができます。
・よく冷えたビール瓶の水滴
・寒い冬 窓ガラスのくもり
・お風呂の天井からのしずく
・水道の蛇口に水滴
・メガネレンズのくもり
結露発生のプロセス
結露の正体は、空気中の水蒸気でした。
では、結露はどのようなときに発生するのでしょうか。
その発生のプロセスを窓の結露を例に見てみましょう。
水蒸気の発生源はたくさんあります。
・炊事、食事中に発生
・浴室から発生
・鉢植えから発生
・就寝中のからだから発生
・洗濯物から発生
①室内で水蒸気が発生する。
②冷たい外気が窓の表面温度を下げる。
③水蒸気を含んだ室内の空気が窓に触れる。
窓の表面温度が露点温度*1より、低い時窓の表面に結露が発生します。
*1(室内の空気に含まれる水蒸気は、温度が一定以下になると結露しはじめます。その時の温度を露点温度といいます)
結露のトラブル
結露は、私たちの生活や住まいに対して、さまざまな悪影響を及ぼします。
結露が引き起こすトラブルの例をあげ、被害の度合いを3段階に分類してみました。
これをご覧になればなぜ結露対策が必要か、お分かりいただけると思います。
※結露の発生は快適で健康的な生活への注意信号です。
病気の原因になることもありますので気をつけましょう。
結露を抑えるためのアドバイス
結露を抑えるためには、建物の改善と暮らし方の改善が必要です。
結露は室内の空気の露点温度より冷たくなるところに発生します。
ということは、露点温度より冷たくなるところを少なくすれば、結露も抑えることができるようになります。
対策方法
①今付いている熱の通しやすいアルミサッシから熱の通しづらい樹脂サッシに取り替える
②内側に熱の通しづらい樹脂製の断熱内窓をつける。
※断熱サッシは外気の冷たさを室内側に伝えにくくします。
窓枠やサッシの室内側表面温度を下がりにくくすることで結露の発生を抑えます。
断熱材は、外気の冷たさを室内に伝えにくくするとともに建物の保温性を高め、室内温度が下がりにくくする効果があります。
暮らし方
空気中に含むことができる水蒸気の量は、その空気の温度によって決まります。
同じ温度では水蒸気の 量が多くなるほど、湿度が高まり結露は発生しやすくなります。
結露を抑えるためには、室内に必要以上の水蒸気を発生させないことが大切です。
水蒸気量をゼロにするのは、不可能です。そこで室内で発生した余分な水蒸気は換気扇を回したり窓を開けたりしてこまめに排出しましょう。
室内で発生する水蒸気を抑える生活へ少し工夫をする。
チェックポイント
・洗濯物を干すときは十分な換気(除湿器などの使用)
・お風呂のふたは開けっ放しにしない。
・加湿器の使用を控え目にする。
・燃焼ガスを室内に放出させない暖房器を使用する(FF、電気)
最後に、結露が発生しやすい個所や、結露を抑えるための注意点をあげてみました。
参考にしてください。
ポイント1 カーテンや紙張りの障子の外側
カーテンや紙貼り障子は、断熱には有効ですが、水蒸気が通り抜けてしまいます。
そのため、ガラスやサッシ室内側表面の温度が下がり、温度の高い空間になるので、結露を発生しやすくなります。
ポイント2 暖房をしていない部屋の窓
その部屋で水蒸気は発生していなくても、他の部屋から水蒸気が侵入してきます。
室内の温度も窓の表面温度も低いので、結露が発生しやすくなります。
対策として 暖房をしていない部屋も適度に換気しましょう。
ポイント3 ダイニングキッチンの吹き抜け上部の部屋
水蒸気は、空気の対流とともに上に上がる性質があります。このため、ダイニングキッチンの吹き抜け上部の部屋には、 炊事や食事中に発生した水蒸気が集まり、結露が発生しやすくなります。
対策として 忘れずに換気扇を使用してこまめに換気しましょう。
ポイント4 新築の建物
新しく建てた家は木材などが含んでいた多くの水分を冬など乾燥時に室内に放出します。
そのため結露が発生しやすくなります。
対策として 新築時には、特に換気に注意しましょう。
結露は完全になくすことはできませんが、工夫次第で減らすことは可能です。
壁紙がはがれたり、窓枠が痛み出す前に結露を上手に防ぎましょう!